世界の栄養危機
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」は達成できるのか?
日本の食文化と健康課題を考慮して、
科学的根拠に基づいた健康的な食を社会へ届ける
「食・栄養と健康」社会連携講座は、日本の食文化と健康課題に向き合いながら、科学的根拠に基づいた知見を社会に届けることをめざしています。 企業・団体との連携を軸に、大学院教育、共同研究、公開講座など、誰もが関われる“開かれた学びと実践の場”を提供します。 本講座は、味の素株式会社と株式会社 明治の出資による社会連携講座です。

日本の食文化、食環境づくりの知見を世界の栄養政策に生かすため、国際的な発信と連携を視野に入れ、科学的根拠に基づいた健康的な社会実現をめざします。
山本 尚子
国際医療福祉大学大学院
教授

日本人の食の健康的な側面を訴求しつつ弱みを改善し、世界屈指の健康寿命の更なる延伸に貢献します。エビデンスを社会につなぐ“橋渡し”の役割を果たす講座として、実践的な成果をめざします。若い研究者の参加を期待します。
津金 昌一郎
国際医療福祉大学大学院
教授

世界のNCDs課題に、日本の食環境の価値をどう生かすか。多様なステークホルダーと共に、解決への道を共創していきます。
野村 周平
国際医療福祉大学大学院
特任教授
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」は達成できるのか?
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」は達成できるのか?
世界では、慢性的飢餓や微量栄養素不足に加え、過栄養が同時進行する“栄養不良の三重負荷”が拡大しています。途上国を中心に生活習慣病も急増し、気候変動や資源不足、地政学的リスクが食料供給を不安定にしています。世界人口は増加を続け、栄養改善と持続可能な食料システムの両立が喫緊の課題です。
日本の食は健康的?その未来は?
日本の食は健康的?その未来は?
日本の食は、多様な食材、適正なエネルギー量、発酵食品の活用など、健康性と持続可能性の両面で世界の栄養課題解決に貢献できる潜在力があります。一方で、国内には食塩過剰、カルシウム不足、高齢者や若い女性の低栄養などの課題が残り、がんや脳卒中、フレイルといった健康問題も依然として存在します。
日本の食の価値は世界に通用するのか?
日本の食の価値は世界に通用するのか?
こうした日本の食の価値は、十分な科学的評価がなされておらず、国際的に体系的な発信ができていません。その結果、海外からの関心や評価の高まりにも関わらず、日本独自の知見を世界の栄養政策や健康的な食事指針に反映させる取り組みは遅れています。
エビデンスで証明するために
~エビデンスで証明するために
欧米では、肥満や虚血性心疾患の対策を中心に、産官学連携による「健康的な食事」モデルの構築が進められています。これらは、エネルギー、飽和脂肪酸や赤肉の制限、全粒穀物やナッツ類の摂取推奨などを特徴としています。しかし、日本では国際的に肥満や虚血性心疾患の頻度は低く、むしろ「やせ」や脳卒中、カルシウム不足などが問題となっており、欧米の基準をそのまま適用することには限界があります。
これらの課題を解決し、日本の食の適切な評価と科学的根拠の構築、その価値を世界へ発信・貢献するため、本講座をスタートさせます。WHOが提唱する“適切・バランス・節度・多様性”の原則に基づき、日本の食文化に即した健康的な食事のあり方を探ります。
日本の食習慣に即した栄養課題(例:食塩過剰、カルシウム不足など)に対するエビデンス構築
エビデンスに基づき、食文化を尊重し日本の健康課題の解決をめざした「健康的な食」についての検討
研究成果で明らかになった健康的な食を効果的、効率的に社会実装する方法の検討
公衆衛生大学院での「栄養疫学・公衆栄養学」の系統講義(15コマ・2単位)と研究指導
若手研究者の育成(教員・大学院生・研究員などの受け入れ)
産官学民や日本栄養士会との対話と共創を通じて日本型栄養戦略の未来を探る、社会人公開講座「乃木坂スクール」
味の素株式会社、株式会社 明治、日本栄養士会など多様なステークホルダーとの連携
日本の栄養課題への理解を深め、提言や発信を通じて変革を促すアドボカシーの実践
「食・栄養と健康」をともに考えるプラットフォームの提供とネットワークの構築